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恐怖 

皆様こんばんは。


17年前の3/20。

小生は朝からシゴトに出かけました。
当時は大学院に通いながら、外国人に日本語を教えていたんです。

専門学校ってほどじゃありませんが、いちおうしっかりした教室で、大学や院と密接な関係があって。
大学院在学中でしたが、正社員扱いで働かせてもらってました。

場所は外国人もよく集まる六本木。
最寄り駅は地下鉄日比谷線の神谷町か六本木。


いつもより20分ほど早く電車に乗って、神谷町駅で下車。
その日の授業で使うプリントを印刷するためでした。
授業は9時からだったので、だいたい8時半には教室に入れるようにしていましたが、上記の理由から8時には到着。
まだ誰もいないので、小生がカギを開けて入りました。

印刷を終えるころ、そろそろ誰か来てもいいハズなのに、気配すらありません。
電車でも止まっているかな、なんて考えましたが、それだったら誰かからTELがあってもいいハズ…。

教室の換気をしておくか、と窓を開けると、たしかに救急車や消防車のハデな音が耳に入りました。

 事故?
 それにしても台数多そうだな…

それにしても誰も来ないので、今日って休校だったっけ、なんて考えながら一服。
2、3口吸ったところでTELが鳴りました。

―おはようございます。○○日本語学校、Sでございます
「おお、来てたか」

室長からでした。


―はい、プリントの印刷を…
「今日は臨時休校な」
―何かありましたか?
「知らないのか?」

地下鉄で何か爆発テロが起こったらしいコト。
ちょうど六本木駅辺りで異臭騒ぎになっているらしいコト。

そんなコトを室長は早口で言い、今日は授業どころじゃないだろ、というコトでした。

教室にはTVがなかったんです。
今のようにインターネットもケータイも普及しておらず、情報を手に入れる術がありませんでした。


とりあえず現状把握のために、駅へ走りました。
駅近くはまさにカオス。

救急車・消防車の尋常ではない数。
路上に寝転んだり坐りこんだりする人の多さ。

阿鼻叫喚という姿をはじめて目にしました。
小生はただ立ち尽くすだけ。
目に映る景観が、現実なのかどうかさえ判断できずにいました。


「Sせんせー…」

中級クラスにいた、ロシア人のジナイダという女のコが話しかけてきました。


―おはようございます、ジナイダ。今日はお休みになりましたよ
「はい、わかりました。でもわたし、かえれないです」


そうだ、電車が止まっている以上、帰宅もできない。
日本人ならともかく、日本語にそうそう慣れていない外国人には、バスの路線図をみるのも難しい。

とりあえず生徒は教室へ連れていこう。
休ませている間に、帰宅ルートを探そう。

そう思ったのです。


ただこのカオスの中から、教室の生徒を探し出すのは難しく。
声を張り上げても、救急・消防・警察の声も飛び交っているので届くワケがない。

ジナイダを教室へ連れていく間に、もうひとり教員がやってきたので、小生は駅へ踵を返し、とにかく生徒探しに走りました。



この時点ではまだ何があったのか、何が起こっていたのかは全然判っていませんでした。
毒ガスによるテロだろう、という見解のみ。

目に見えない何かによる恐怖。
体験した中では、今でもこれを超える恐怖を知りません。


オウム真理教によるサリン散布テロだとわかるのは、二日後のコトでした。


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